Japanese
English
症例報告
トラニラストが奏効した汎発性環状肉芽腫の1例
A case of successful treatment with tranilast in a patient with generalized granuloma annulare
大嶋 英恵
1
,
花田 勝美
1
,
大石 祐子
2
Hanae OSHIMA
1
,
Katsumi HANADA
1
,
Yuko OISHI
2
1弘前大学医学部皮膚科教室
2大館市立総合病院皮膚科
1Department of Dematology,Hirosaki University School of Medicine
2Department of Dermatology,Odate City General Hospital
キーワード:
汎発性環状肉芽腫
,
糖尿病
,
トラニラスト
Keyword:
汎発性環状肉芽腫
,
糖尿病
,
トラニラスト
pp.558-561
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100934
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71歳,男性.糖尿病でインスリン治療を受けていたが,軀幹,上肢にそう痒を伴う丘疹が多数出現した.他医で加療を受けていたが難治であった.一時,眼科での強膜炎の治療でステロイド全身投与を受け,皮疹は軽快した.しかし,再び皮疹が増悪し,難治のため受診した.病理組織像は,真皮上層に変性した膠原線維を認め,リンパ球や組織球,類上皮細胞が帯状に浸潤し,一部では巣状に肉芽腫を形成し,多核巨細胞も散見された.明らかなpalisading granulomaは認められなかった.糖尿病に合併した汎発性環状肉芽腫と診断した.トラニラスト300mg/日内服,吉草酸ジフルコルトロン外用で治療を開始した.4週間後にはそう痒感が減少し,8週間後には一部の丘疹で平坦化し,色素沈着となった.12週間後には皮疹の新生は著明に減少した.16週間後には,すべての皮疹は色素沈着のみとなった.治療開始から1年を経過し,現在もトラニラスト内服中であるが再発は認められない.
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