Japanese
English
症例報告
小児に生じた多発皮膚顆粒細胞腫の1例
A pediatric case of multiple dermal granular cell tumors
矢嶋 真希子
1
,
山本 晋也
1
,
中井 康雄
1
,
波部 幸司
1
,
中村 保夫
2
,
山中 恵一
1
Makiko YAJIMA
1
,
Shinya YAMAMOTO
1
,
Yasuo NAKAI
1
,
Koji HABE
1
,
Yasuo NAKAMURA
2
,
Keiichi YAMANAKA
1
1三重大学医学部附属病院皮膚科
2伊勢赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Mie University Hospital, Tsu, Japan
2Division of Dermatology, Red Cross Ise Hospital, Ise, Japan
キーワード:
皮膚顆粒細胞腫
,
多発
,
小児
Keyword:
皮膚顆粒細胞腫
,
多発
,
小児
pp.801-805
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206474
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要約 10歳,男児.初診2年前に左肩甲部に皮下小結節を自覚.前医での切除生検病理組織検査にて顆粒細胞腫と診断された.2年後に後頸部と右腰部に新たな皮下小結節が出現したため,精査加療目的に当科紹介となった.後頸部に5×5mm,右腰部に10×5mmの皮下小結節を触知した.摘出術施行し,病理組織学的にいずれの腫瘍もHE染色において胞体内に好酸性顆粒を有する比較的大型の細胞を認め,免疫染色にてNSE,CD-68,S100蛋白が陽性であり顆粒細胞腫と診断した.顆粒細胞腫は中年に好発し,単発が多く,小児例,多発例はきわめて稀である.顆粒細胞腫を認めた場合は,他部位への発生がないか全身を定期的に観察することが重要であり,小児の場合は保護者による観察が必要である.なかには悪性のものがあり,臨床診断が困難な皮下腫瘍の場合は組織検査を含めた鑑別が重要となる.また,Noonan症候群やNF1との合併の報告もあり留意が必要である.
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