Japanese
English
症例報告
長期の胃瘻を必要とする嚥下機能障害が遷延した皮膚筋炎の1例
A case of dermatomyositis with severe dysphagia requiring long-term gastrostomy
河合 良奈
1
,
古川 佑来
1
,
山崎 菜央
1
,
加藤 恒平
1
,
片桐 一元
1
Rana KAWAI
1
,
Yuki FURUKAWA
1
,
Nao YAMAZAKI
1
,
Kohei KATO
1
,
Kazumoto KATAGIRI
1
1獨協医科大学埼玉医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University Saitama Medical Center, Koshigaya, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
嚥下機能障害
,
ステロイド抵抗性
,
ガンマグロブリン大量静注療法
,
胃瘻
Keyword:
皮膚筋炎
,
嚥下機能障害
,
ステロイド抵抗性
,
ガンマグロブリン大量静注療法
,
胃瘻
pp.587-592
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206427
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要約 61歳,女性.初診1か月前に背部,顔面に皮疹が出現.筋原性酵素の上昇,手背のGottron丘疹,爪囲紅斑,背部に多形皮膚萎縮あり.抗Mi-2抗体強陽性.間質性肺炎,内臓悪性腫瘍なし.プレドニゾロン(PSL)1mg/kg/日,アザチオプリン50mg/日を投与するも血清CK値が1,400U/lで下げ止まり,嚥下および体動困難となった.ガンマグロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin:IVIG)を追加したところ,血清CK値は速やかに低下したが,嚥下機能の回復が遅く,胃瘻を造設し,嚥下リハビリを行い,胃瘻は9か月後に閉鎖した.PSL減量で筋症状が再燃したが,増量で改善し,現在PSL 8mg/日とシクロスポリン150mg/日で維持している.自験例ではステロイド抵抗性の嚥下機能障害を合併する皮膚筋炎に対し,IVIGが血清学的に奏効した.また,胃瘻造設により,誤嚥性肺炎やカテーテル感染を起こすことなく,腸管機能も温存できた.長期の嚥下障害が予想される症例では胃瘻造設を治療選択肢として検討すべきである.
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