Japanese
English
症例報告
皮膚硬化に対しペニシラミンが有効であった好酸球性筋膜炎の1例
A case of eosinophilic fasciitis treated successfully with penicillamine
若林 満貴
1
,
秋山 俊洋
1
,
種田 研一
1
,
深井 達夫
1
,
吉池 高志
1
Maki WAKABAYASHI
1
,
Toshihiro AKIYAMA
1
,
Kenichi TANEDA
1
,
Tatsuo FUKAI
1
,
Takashi YOSHIIKE
1
1順天堂大学医学部附属静岡病院皮膚科
1Dermatology Unit, Juntendo University Shizuoka Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
好酸球性筋膜炎
,
ステロイド全身投与
,
ペニシラミン
,
苔癬型薬疹
Keyword:
好酸球性筋膜炎
,
ステロイド全身投与
,
ペニシラミン
,
苔癬型薬疹
pp.70-74
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103870
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要約 65歳,女性.初診2か月前より四肢遠位部の硬化と掻痒が出現し膠原病内科で精査を受けた.血清学的異常がみられず当科へ紹介され受診した.末梢血好酸球が軽度上昇し,前腕の皮膚硬化局面の病理組織像で皮下に強い線維化を認め,線維性に肥厚した筋膜部分に好酸球が散見されたことから,好酸球性筋膜炎と診断した.線維化が強いことからペニシラミン200mg/日の内服を開始したところ,皮膚硬化は速やかに改善した.しかし,皮膚硬化の改善に反して,末梢好酸球数が上昇したため,プレドニゾロン全身投与を併用し,好酸球数も正常化するに至った.さらに,経過中にペニシラミンによる苔癬型薬疹を併発し,ペニシラミンを中止したところ皮膚硬化のみが再燃した.自験例において,ペニシラミンは皮膚硬化に有効であることが示唆された.線維化が強く,硬化が完成している症例に対しては,ペニシラミンの有効性が期待される.
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