Japanese
English
バイオ時代におけるリウマチ性疾患の診療 Ⅲ.薬物治療
3.生物学的製剤
関節リウマチに対するゴリムマブの臨床成績
Clinical outcomes of golimumab in rheumatoid arthritis
角谷 梨花
1
,
近藤 直樹
1
,
藤澤 純一
2
,
川島 寛之
1
R. Kakutani
1
,
N. Kondo
1
,
J. Fujisawa
2
,
H. Kawashima
1
1新潟大学大学院整形外科
2国立病院機構西新潟中央病院整形外科
1Div. of Orthop. Surg., Dept. of Regenerative and Transplant Medicine, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata
キーワード:
RA
,
TNF inhibitor
,
golimumab
Keyword:
RA
,
TNF inhibitor
,
golimumab
pp.58-61
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei84_58
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は じ め に
関節リウマチ(RA)は20~50歳代の女性に好発し,関節滑膜炎を病態の主座とする代表的な炎症性自己免疫疾患で,慢性的に経過し主に多関節炎をきたす.発症早期から関節破壊が進行するため,より早い段階で治療介入し,関節炎を抑えることが重要となる.治療薬のうち,生物学的製剤は現在までに多くの種類が使用可能となっており,投薬されている.そのうち,腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬は2023年5月現在までにインフリキシマブ,エタネルセプト,アダリムマブ,ゴリムマブ(GLM),セルトリズマブ ペゴル,オゾラリズマブが使用可能となっている.通常,TNF阻害薬は一部を除いて,メトトレキサート(MTX)をはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬などによる適切な治療を行っても,疾患活動性に起因する明らかな症状が残る場合に投与することとされている1).GLMは,遺伝子組み換え技術によりマウスハイブリドーマ細胞株から産生されたヒトIgG1κモノクローナル抗体であり,大規模無作為化プラセボ対照第Ⅲ相試験においても成人のRAの徴候や症状を改善することが示されている.GLMは主にTNFαを標的とし,それを中和することで作用し,炎症だけでなく軟骨の分解や骨破壊を防ぐ2).4週ごとに1回の皮下注射を行うが,使用にはMTXの併用が必須ではない1).われわれは,RA例におけるGLM使用患者の臨床成績について調査した.
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