Japanese
English
症例報告
胸壁に生じた皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma on the chest wall
木花 いづみ
1
,
寺木 祐一
1
,
橋詰 寿律
2
Izumi KONOHANA
1
,
Yuichi TERAKI
1
,
Toshinori HASHIZUME
2
1平塚市民病院皮膚科
2国立療養所神奈川病院外科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital
2Division of Surgery, National Kanagawa Hospital
キーワード:
皮膚腺病
,
胸壁結核性膿瘍
Keyword:
皮膚腺病
,
胸壁結核性膿瘍
pp.573-575
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901245
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55歳男性の胸壁に生じた皮膚腺病の1例を報告した.初診の1週間前,突然右乳頭下方に鶏卵大の皮下結節が出現,発赤,軟化してきた.切開にて半透明な淡黄色膿の排出を認め,初診の10日後には胸骨上部にも同様の結節の新生を認めた.組織学的にはラングハンス型巨細胞を混じた類上皮細胞,リンパ球主体のびまん性細胞浸潤と広汎な壊死を認め,膿,生検皮膚よりヒト型結核菌が分離された.抗結核剤による治療開始2カ月後,右鎖骨上部にも膿瘍の新生を認めたが,その後経過良好で,10カ月後の現在瘢痕治癒の状態である.既往歴,家族歴に結核はなく,精査でも原発巣となる肺結核,骨結核は認められなかった.胸壁,腹壁結核性膿瘍について簡単にまとめた.
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