Japanese
English
症例報告
尿管癌の皮膚転移の1例
A case of cutaneous metastasis of urothelial carcinoma
川名 博徳
1
,
黒羽根 系一
1
,
吉村 敏宏
2
,
山本 忠男
2
,
岸本 裕一
2
,
中本 匡治
3
,
大木 隆史
3
,
鎌田 英明
1
Hironori KAWANA
1
,
Keiichi KUROHANE
1
,
Toshihiro YOSHIMURA
2
,
Tadao YAMAMOTO
2
,
Yuichi KISHIMOTO
2
,
Tadaharu NAKAMOTO
3
,
Takashi OKI
3
,
Hideaki KAMATA
1
1JCHO横浜中央病院皮膚科
2JCHO横浜中央病院泌尿器科
3JCHO横浜中央病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, JCHO Yokohama Chuo Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Urology, JCHO Yokohama Chuo Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Respiratory Medicine, JCHO Yokohama Chuo Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
尿管癌
,
移行上皮癌
,
皮膚転移
Keyword:
尿管癌
,
移行上皮癌
,
皮膚転移
pp.143-148
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206271
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要約 55歳,男性.受診1か月前に右肘部の約3mm大の隆起性病変に気付いた.同時期頃から咳嗽があり,胸痛を自覚するようになり当院を受診した.右肘頭尺側には約25×20mm大の淡黄紅色調のドーム状結節がみられた.CTにて右尿管,両肺,肝に腫瘍性病変がみられ,骨シンチグラフィでは眼窩,胸腰椎,脛骨への転移の可能性が示唆された.尿管の生検で尿管癌と診断された.皮膚病変も同様の病理組織像を呈しており,尿管癌の皮膚転移と診断した.手術適応はなく,泌尿器科にて原発巣に対してゲムシタビン,シスプラチン併用療法を開始したが,2クール目終了後に永眠した.皮膚病変は術後再発なく経過していた.尿管癌は移行上皮由来の稀な悪性腫瘍であり,皮膚転移の報告はさらに少なく典型的な臨床像はない.皮膚転移時には他臓器への遠隔転移もきたし予後不良な症例がほとんどであるが,発疹の形態に捕われずに皮膚生検を積極的に行うべきであると考えた.
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