Japanese
English
症例報告
乳幼児に生じた環状肉芽腫―汎発型および皮下型の各1例
Two cases of granuloma annulare in childhood:Generalized type and subcutaneous type
三原 清香
1
,
渋沢 弥生
1
,
永井 弥生
1
,
石川 治
1
Sayaka MIHARA
1
,
Yayoi SHIBUSAWA
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
環状肉芽腫
,
小児
,
汎発型
,
皮下型
Keyword:
環状肉芽腫
,
小児
,
汎発型
,
皮下型
pp.541-544
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102036
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要約 症例1:1歳,女児.初診1か月前より両下肢,次いで上肢,臀部に皮疹が出現した.小指大までの扁平隆起する結節が多発し,一部は環状を呈していた.病理組織学的所見で真皮内に変性・断裂した膠原線維と周囲の炎症細胞浸潤がみられ,肉芽腫病変が散在しており,汎発型環状肉芽腫と診断した.症例2:5歳,男児.初診2年前より左足背に皮疹が出現した.くるみ大ほどの不整形,辺縁が隆起する紅斑があり,同部に米粒大ほどの皮下結節を数個触知した.病理組織学的所見では真皮中層~脂肪織にかけて肉芽腫病変がみられ,定型疹を伴う皮下型環状肉芽腫(GA)と診断した.いずれも生検後に皮疹は消退傾向を示した.本邦報告例を検討したところ,小児のGAでは,糖尿病などの合併症はなく,非定型疹を呈する例が多いため,確定診断には生検が必要である.また,94%の症例において生検後,無治療で消退,軽快しており,経過観察が有用と考える.
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