Japanese
English
症例報告
両上眼瞼・上肢に有痛性紅斑を認めた結節性紅斑の1例
A case of erythema nodosum which developed painful erythema on both eyelids and upper limbs
小田 俊輔
1
,
伏間江 貴之
1
,
角田 朝子
1
,
雪野 祐莉子
1
,
川北 梨乃
1
,
橋山 卓弘
2
,
吉田 哲也
1
Shunsuke ODA
1
,
Takayuki FUSUMAE
1
,
Asako TSUNODA
1
,
Yuriko YUKINO
1
,
Rino KAWAKITA
1
,
Takuhiro HASHIYAMA
2
,
Tetsuya YOSHIDA
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター皮膚科
2独立行政法人国立病院機構東京医療センター総合内科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
2Division of General Practice, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
結節性紅斑
,
上肢
,
眼瞼
Keyword:
結節性紅斑
,
上肢
,
眼瞼
pp.32-36
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206246
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 57歳,女性.初診10日前に咳嗽・咽頭痛を自覚.徐々に改善傾向であったが,初診3日前から両下肢に有痛性紅斑と全身の関節痛が出現したため紹介され受診した.初診時,下肢に限局して,径4cmまでのわずかに隆起した有痛性紅斑を数個認め,結節性紅斑と考え非ステロイド性抗炎症薬内服で加療した.初診3日後,有痛性紅斑は両上眼瞼・両上肢にも拡大,下肢の疼痛が増強したため精査加療目的で入院した.結節性紅斑の他に,Sweet症候群や,悪性リンパ腫を鑑別に下腿伸側の紅斑から生検を施行した.病理組織学的に皮下脂肪織で線維性隔壁優位に好中球,リンパ球を主体とした炎症細胞浸潤を認め,結節性紅斑と診断.全身検索を行ったが,血液検査でCRP上昇を認めた以外に基礎疾患はなかった.ヨウ化カリウム投与後速やかに症状は改善し,4か月経過し再発はみられていない.結節性紅斑の病勢が進行することで好発部位の下肢だけでなく,上肢や頭頸部にまで皮疹が拡大することがあると考えられた.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.