Japanese
English
症例報告
真性包茎に合併した多発包皮結石の1例
A case of multiple preputial calculus associated with phimosis
雪野 祐莉子
1
,
矢富 良寛
1
,
小田 俊輔
1
,
角田 朝子
1
,
川北 梨乃
1
,
波多野 まみ
2
,
西山 徹
3
,
𠮷田 哲也
1
Yuriko YUKINO
1
,
Yoshihiro YATOMI
1
,
Shunsuke ODA
1
,
Asako TSUNODA
1
,
Rino KAWAKITA
1
,
Mami HATANO
2
,
Toru NISHIYAMA
3
,
Tetsuya YOSHIDA
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター皮膚科
2独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床検査科
3独立行政法人国立病院機構東京医療センター泌尿器科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
2Division of Clinical laboratory Department, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
3Division of Urology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
包皮結石
,
石灰化上皮腫
,
陰茎皮下結節
,
真性包茎
Keyword:
包皮結石
,
石灰化上皮腫
,
陰茎皮下結節
,
真性包茎
pp.713-718
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206454
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要約 62歳,男性,真性包茎あり.前立腺肥大症で3年前より当院泌尿器科通院中であった.約2年前に陰茎に小さな皮下結節を1か所自覚し,徐々に増大・増数し疼痛を伴うようになったため,泌尿器科より当科に紹介され受診した.陰茎の全周性に10mm大までの石様硬の皮下結節が多発していた.臨床的に石灰化上皮腫や特発性石灰沈着症などを考え画像検査を施行した.超音波検査では石灰化を疑う高輝度エコーの結節を認めた.造影MRIでは陰茎包皮下に造影効果の乏しい結節状構造が多発し,一部は石灰化を伴っていた.真性包茎に対し環状切除術を施行し,包皮下に黄白色結節を認めた.病理所見で結節は角化物から形成され,細胞成分は認めなかったことから包皮結石と診断した.包皮結石は陰茎包皮内に結石が停留した病態で近年は稀な疾患とされているが,包皮結石に陰茎癌を合併した報告もある.真性包茎に合併する陰茎皮下結節の場合,包皮結石も鑑別に挙げる必要があると考える.
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