特集 病態から考える薬物療法
第Ⅲ章 紅斑症・好中球関連皮膚疾患
2 結節性紅斑
神田 奈緒子
1
Naoko KANDA
1
1日本医科大学千葉北総病院,皮膚科
キーワード:
結節性紅斑
,
炎症性腸疾患
,
サルコイドーシス
,
溶連菌
,
肉芽腫性乳腺炎
Keyword:
結節性紅斑
,
炎症性腸疾患
,
サルコイドーシス
,
溶連菌
,
肉芽腫性乳腺炎
pp.670-673
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003246
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結節性紅斑(erythema nodosum,以下EN)は,両下腿伸側に好発する,潮紅と圧痛を伴う皮下結節~硬結である(図1)。病変の辺縁はやや不明瞭,指頭大~鶏卵大で,潰瘍になることはほとんどない。病理組織学的には皮下脂肪の小葉間結合組織に炎症を生じる皮下脂肪織炎(septal panniculitis)を呈する(図2)。初期病変では好中球,リンパ球が浸潤し,病期が進むとリンパ球主体となり,その後,組織球が現れ,脂肪隔壁に類上皮細胞と多核巨細胞の集簇(Miescherの小肉芽腫)をみることがある。通常明らかな血管炎の像は呈さない。
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