Japanese
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症例報告
左足底悪性黒色腫の鼠径リンパ節郭清術後リンパ漏に対しV.A.C. Ulta®による灌流式持続陰圧洗浄療法を行った1例
A case of lymphorrhea after inguinal node dissection of malignant melanoma, managed with NPWTi-d(V.A.C. Ulta®)
雪野 祐莉子
1
,
伏間江 貴之
1
,
小田 俊輔
1
,
角田 朝子
1
,
川北 梨乃
1
,
𠮷田 哲也
1
Yuriko YUKINO
1
,
Takayuki FUSUMAE
1
,
Shunsuke ODA
1
,
Asako TSUNODA
1
,
Rino KAWAKITA
1
,
Tetsuya YOSHIDA
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
リンパ節郭清
,
リンパ漏
,
陰圧閉鎖療法
,
灌流式持続陰圧洗浄療法
Keyword:
悪性黒色腫
,
リンパ節郭清
,
リンパ漏
,
陰圧閉鎖療法
,
灌流式持続陰圧洗浄療法
pp.1040-1045
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206218
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要約 77歳,男性.左足底悪性黒色腫に対し,原発切除および鼠径リンパ節郭清術を施行したが,術後リンパ漏による創離開を生じた.外用薬による保存的加療を行ったが,創部からのリンパ液の漏出が多くポケット部の創感染をきたした.V.A.C. Ulta®治療システムによる灌流式持続陰圧洗浄療法(negative pressure wound therapy with instillation and dwelling:NPWTi-d)を開始したところ,3週間で壊死組織はほぼ消失しポケットの縮小と良好な肉芽形成がみられた.陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)は滲出液の除去や血流促進などにより創傷治癒を促すとされているが,細菌の定着を悪化させる可能性もあり感染創には使用しにくい.NPWTi-dは,通常のNPWTに周期的持続注入機能を組み合わせることで,自験例のように壊死組織を伴う汚染創においても使用可能で,早期からポケットに対する治療介入が可能であった.
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