Japanese
English
症例報告
背部に生じた原発性皮膚辺縁帯リンパ腫の1例
A case of primary cutaneous marginal zone lymphoma on the back
鈴木 彩子
1
,
小笹 美蘭
1
,
関山 紘子
1
,
福田 一郎
2
,
安田 仁子
3
,
簗場 広一
1
Sayako SUZUKI
1
,
Miran OZASA
1
,
Hiroko SEKIYAMA
1
,
Ichiro FUKUDA
2
,
Itsuko YASUDA
3
,
Koichi YANABA
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター皮膚科
2東京慈恵会医科大学葛飾医療センター放射線科
3安田クリニック
1Department of Dermatology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
2Department of Radiology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
3Yasuda Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚B細胞リンパ腫
,
原発性皮膚辺縁帯リンパ腫
,
放射線治療
Keyword:
皮膚B細胞リンパ腫
,
原発性皮膚辺縁帯リンパ腫
,
放射線治療
pp.993-998
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206206
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要約 87歳,男性.初診6年前より左上背部に自覚症状を欠く紅色結節が出現した.ステロイドを外用するも改善なく,当科を受診した.病理組織学的には真皮全層に腫瘍細胞が浸潤していた.免疫組織学的に腫瘍細胞はCD20,CD79α,bcl-2陽性であり,CD10,bcl-6陰性であった.遺伝子解析検査で免疫グロブリンH鎖JH領域にて遺伝子の再構成が認められ,画像検査で他臓器病変を認めなかったことから,原発性皮膚辺縁帯リンパ腫(primary cutaneous marginal zone lymphoma)と診断した.放射線治療にて腫瘍は消失し,12か月後の現在まで再発なく経過している.限局する原発性皮膚辺縁帯リンパ腫では外科的切除と放射線治療が第一選択とされている.放射線治療は多くの例で奏効するが,寛解後に再発する症例も散見され,寛解後も注意深い経過観察が必要である.
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