Japanese
English
症例報告
皮膚B細胞リンパ腫の1例
A case of cutaneous B cell lymphoma
松坂 優子
1
,
斉藤 和哉
1
,
川村 邦子
1
,
堀越 貴志
1
,
石田 修
2
Yuko MATSUSAKA
1
,
Kazuya SAITOU
1
,
Kuniko KAWAMURA
1
,
Takashi HORIKOSHI
1
,
Osamu ISHIDA
2
1札幌医科大学皮膚科学教室
2室蘭市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Sapporo Medical School
2Department of Dermatology, Muroran City Hospital
キーワード:
皮膚B細胞リンパ腫
,
B細胞リンパ腫
Keyword:
皮膚B細胞リンパ腫
,
B細胞リンパ腫
pp.643-646
発行日 1996年7月1日
Published Date 1996/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901933
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上背部に出現した皮膚原発のpre-Bあるいはpre-pre-B細胞リンパ腫の70歳,男性例を報告した.病理組織学的には,成人例に多いdiffuse, large typeの組織像を呈した.しかし,免疫組織学的にHLA-DR(+),CD 10(±),CD 19(+),CD 20(+++),sIg(−)であり,小児例に多い未分化のリンパ腫であった.最近10年間に本邦で報告された皮膚原発B細胞リンパ腫58症例のうち,pre-B以前の未熟なものは小児3例,成人2例である.小児例はすべて生存しているが,成人例の生存期間は発症から平均8ヵ月である.自験例ではインターフェロンα誘発剤の単独投与により腫瘤の縮小効果(縮小率97%)がみられ,この状態が6ヵ月続いた.しかし,投与中止1ヵ月後再び腫瘍の局所再発を認めたので放射線(60Co 200 Gy,12 MeV電子線25 Gy)照射した.治療後腫瘍が消失し,完全寛解の状態が1年以上続いている.
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