変わりゆくリンパ腫の診断と治療-一般外来での初発症状から最新治療まで リンパ腫の各病理組織型の治療と予後
粘膜関連濾胞辺縁帯リンパ腫
樋口 悠介
1
,
山本 一仁
1愛知県がんセンター中央病院 血液・細胞療法部
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
胃腫瘍
,
抗腫瘍剤
,
抗細菌剤
,
腫瘍進行度
,
多剤併用療法
,
リンパ腫-辺縁帯B細胞性
,
除菌療法
,
待機療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Antineoplastic Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Neoplasm Staging
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter Infections
,
Lymphoma, B-Cell, Marginal Zone
,
Watchful Waiting
pp.1311-1314
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016244773
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MALTリンパ腫は節外性の濾胞辺縁帯B細胞性リンパ腫である.感染症や自己免疫性疾患などの慢性炎症を背景疾患に認める症例も多い.基本的には慢性の経過をたどり,予後は比較的良好である.Helicobacter pylori(H. pylori)感染陽性の胃MALTリンパ腫では除菌治療が初期治療となる.臨床経過により,経過観察も治療の選択肢となりうる.症状を有する場合,臓器障害を認める場合,巨大腫瘤を有する場合,確実な進行を認める場合,本人が治療を希望する場合は治療適応となる.その場合,限局期の症例では放射線治療や手術治療が,進行期の症例では濾胞性リンパ腫に準じた免疫化学療法が行われる.
©Nankodo Co., Ltd., 2016