Japanese
English
症例報告
鼻尖部に生じた血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma of the tip of the nose
片山 絢子
1
,
岡田 悦子
1
,
吉岡 はるな
1
,
大森 俊
1
,
中村 元信
1
Ayako KATAYAMA
1
,
Etsuko OKADA
1
,
Haruna YOSHIOKA
1
,
Shun OMORI
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, University of Occupational and Enviromental Health, Kitakyusyu, Japan
キーワード:
血管肉腫
,
鼻尖部
,
遠隔転移
,
予後
Keyword:
血管肉腫
,
鼻尖部
,
遠隔転移
,
予後
pp.987-992
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206205
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要約 92歳,男性.元来,鼻孔縁を触る習慣があった.初診の約4か月前から同部位に易出血性の腫瘤が出現し次第に増大した.鼻背部から鼻尖部にかけて不整に隆起し,血痂と潰瘍を伴った鶏卵大の易出血性の暗赤色腫瘤を呈していた.腫瘤により外鼻孔は圧排され鼻閉があった.皮膚生検では真皮上層から皮下に至るまで大小不整な管腔を形成する異型内皮細胞が増殖し,免疫染色でCD31陽性を示し血管肉腫と診断した.画像検査では所属リンパ節転移が疑われたが遠隔転移はなかった.高齢であり全身治療を希望しなかったため,緩和的電子線治療とMohsペーストによる局所処置を行い,腫瘤の縮小と出血コントロールが得られた.血管肉腫は高齢者の頭部顔面に好発するが,鼻尖部に限局した例は少なく,文献的考察を加えて報告する.
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