Japanese
English
症例報告
潜在性二分脊椎を伴ったcoccygeal padの1例
A case of coccygeal pad associated with spina bifida occulta
池田 賢太
1
,
松三 友子
1
,
眞部 恵子
1
,
浅越 健治
1
Kenta IKEDA
1
,
Tomoko MATSUMI
1
,
Keiko MANABE
1
,
Kenji ASAGOE
1
1独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Okayama Medical Center, Okayama, Japan
キーワード:
coccygeal pad
,
atypical dimple
,
潜在性二分脊椎
,
脊髄繋留
Keyword:
coccygeal pad
,
atypical dimple
,
潜在性二分脊椎
,
脊髄繋留
pp.853-857
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206176
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 16歳,男性.出生時から仙骨部にえくぼのような小陥凹を認めていた.無症候に経過していたが,中学生時より尾骨部が淡紅色調に硬く隆起し増大してきた.初診時,仙骨部下方の正中に50×15mm程度のドーム状に隆起する硬い淡紅色結節を認め,その頭側に深部に向かって引きつれるような小陥凹を伴っていた.CT画像では仙尾部が直線的で尾骨先端が前方に屈曲偏位していた.また,潜在性二分脊椎と脊髄繋留を合併していた.Coccygeal padは仙尾骨部に生じる胼胝様の隆起性線維性病変であり,思春期の男性に好発する.尾骨の前方屈曲や下部仙骨の直線化を伴うことが多い.一方,潜在性二分脊椎は何らかの皮膚異常を高率に合併することが知られており,自験例ではatypical dimpleを認めた.Coccygeal padと潜在性二分脊椎はいずれも仙尾部の骨形成異常により生じる疾患であり,因果関係が推測される.仙尾部正中の皮膚異常所見を確認した際には,潜在性二分脊椎の可能性も考慮する必要がある.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.