Japanese
English
臨床報告
鼠径部に発生したmesothelial cystの2例
Two cases of mesothelial cyst of the inguinal region
岩﨑 渉
1
,
小棚木 均
1
,
吉楽 拓哉
1
,
里吉 梨香
1
,
齋藤 謙
2
Wataru IWASAKI
1
1秋田赤十字病院外科
2秋田赤十字病院病理部
キーワード:
mesothelial cyst
,
Nuck管囊胞
,
腹膜中皮腫
,
鼠径部腫瘤
,
鼠径ヘルニア
Keyword:
mesothelial cyst
,
Nuck管囊胞
,
腹膜中皮腫
,
鼠径部腫瘤
,
鼠径ヘルニア
pp.271-274
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103963
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要旨
2例ともに30歳代女性.子宮円靱帯と並行する多房性の囊胞を認めた.ヘルニア囊も存在したが,連続性はなかった.手術は囊胞摘出とヘルニア修復を行った.病理組織学的検査では,内面が1層の中皮によって覆われ,免疫染色ではカルレチニン陽性,MIB-1陽性率5%以下,EMA染色陰性,CEA染色陰性であった.以上からmesothelial cystと診断した.自験のような鼠径部の囊胞性疾患では,腹膜中皮腫のような悪性疾患もあるので,内容を漏らさないよう囊胞を完全切除することが重要である.また,鑑別診断には免疫染色が必須である.
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