Japanese
English
症例報告
排尿障害をきたした帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster complicated with urinary dysfunction
水野 綾音
1
,
常深 祐一郎
2
,
津島 綾子
1
,
石黒 直子
1
Ayane MIZUNO
1
,
Yuichiro TSUNEMI
2
,
Ayako TSUSHIMA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科
2埼玉医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Woman's Medical University, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
仙髄領域
,
膀胱障害
,
排尿障害
Keyword:
帯状疱疹
,
仙髄領域
,
膀胱障害
,
排尿障害
pp.689-692
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206137
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要約 63歳,男性.2年前に生体腎移植を受け免疫抑制薬とメチルプレドニゾロン(mPSL)4mg/日を内服していた.初診10日前から左臀部に小水疱が出現した.7日前に近医にて帯状疱疹と診断され,ファムシクロビルを内服したが,5日前に陰茎,陰囊にも小水疱が出現し,4日前に排尿障害がみられ,当科を受診した.帯状疱疹に対し,腎機能を考慮してアシクロビル500mg/日を点滴で7日間投与した.また尿閉がみられたため,膀胱カテーテルを留置し,プレドニゾロン(PSL)60mg/日に増量した.1週間後にカテーテルを抜去したところ,自尿が確認されたため,PSLを漸減し,27日後にmPSL 4mg/日に戻した.その後排尿障害の再発はない.仙髄領域の帯状疱疹では排尿障害の併発に留意する必要がある.ただし,尿閉に対する薬物治療の有無にかかわらず予後は比較的良好である.
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