Japanese
English
症例報告
結節性痒疹にデュピルマブが著効したアトピー性皮膚炎の1例
A case of atopic dermatitis with prurigo nodularis successfully treated with dupilumab
佐々木 梓
1
,
桂 友理
1
,
上田 喬士
1
Azusa SASAKI
1
,
Yuri KATSURA
1
,
Takashi UEDA
1
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
キーワード:
デュピルマブ
,
Th2
,
アトピー性皮膚炎
,
結節性痒疹
Keyword:
デュピルマブ
,
Th2
,
アトピー性皮膚炎
,
結節性痒疹
pp.683-687
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206136
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要約 43歳,男性.幼少期よりアトピー性皮膚炎で加療していた.40歳頃より体幹四肢に結節性痒疹を伴いはじめ,徐々に増大し難治化した.アトピー性皮膚炎の湿疹は既存治療で効果不十分であり,デュピルマブの投与を開始した.投与後より瘙痒感が減少し,アトピー性皮膚炎の湿疹は改善した.また,湿疹だけではなく,投与2か月後には難治であった結節性痒疹も著明に平坦化した.結節性痒疹は難治な痒みを伴い,治療に難渋することが多い.デュピルマブは痒疹結節を伴うアトピー性皮膚炎にも効果を示すことが多いが,自験例では硬く隆起し,孤立性に分布する難治性の結節性痒疹に著効を示した.結節性痒疹の形成には2型炎症反応が関与していると推測されており,IL-4受容体αサブユニットに対する抗体であるデュピルマブは,2型炎症反を抑制することで痒疹の形成を抑えたと考えた.
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