Japanese
English
症例報告
左胸鎖関節部に生じた皮下気管支原性囊胞の1例
A case of subcutaneous bronchogenic cyst of the left sternoclavicular joint
小林 麻友子
1
,
吉田 憲司
1
,
當麻 秀信
1
,
村岡 真季
1
,
加藤 寿香
1
,
石河 晃
1
Mayuko KOBAYASHI
1
,
Kenji YOSHIDA
1
,
Hidenobu TOMA
1
,
Maki MURAOKA
1
,
Hisaka KATO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
皮下気管支原性囊胞
,
気管支原性囊胞
Keyword:
皮下気管支原性囊胞
,
気管支原性囊胞
pp.693-697
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206138
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要約 45歳,女性.小学生の頃より左胸鎖関節部に結節を自覚し時々粘液が漏出していた.初診半年前に近医で局所麻酔下に摘出術を施行されたが,初診3か月前より同部位からの粘液漏出が再燃したため当院へ紹介受診した.喉頭ファイバースコピー,表在超音波検査,胸部造影CT検査等施行し気管や縦郭との交通はなく,皮下に限局した囊腫構造であったため局所麻酔下に全摘した.病理組織学的に囊腫壁は多列線毛円柱上皮に覆われており,壁内に杯細胞が散見された.囊腫壁近傍に粘液腺房と導管様構造があり皮下気管支原性囊胞と診断した.皮下気管支原性囊胞は小児期に切除されることが多く,成人での報告例は国内外でも自験例と合わせて11例と少ない.成人例と小児例を比較したところ,成人例では感染の既往が少なく,瘻孔も少ない傾向があった.また,頸部に生ずる先天性囊胞性疾患の鑑別をまとめ,画像検査で周囲臓器との位置関係や連続の有無を確認することが重要であると考えられた.
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