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本誌の1月号のあとがきに「ついに東京オリンピックが開催される年になりました」と書いた頃は新型コロナウイルスが猛威を振るうことなど夢にも思っていませんでした.緊急事態宣言解除後も,新規患者数の発表やクラスターの発生など,コロナの話題を耳にしない日は当分来そうにありません.有効なワクチンが開発されて,ウイルスから逃げ回らなくても良い生活を早く取り戻したいものです.
コロナ対策のために,会合や対面での授業が取りやめになり,変わってWEB会議が大きく台頭しました.大学病院では診療部長会や教授会などの院内会議もことごとくオンラインになり,また,学生講義もWEBでの遠隔授業が行われるようになりました.さらには第119回日本皮膚科学会総会も完全WEB開催となりました.WEB会議をやってみると,当初は操作に戸惑いもありましたが,移動しなくて良い,印刷物不要,意外とコミュニケーションがとれる,無駄話がなくて能率的であるなどのメリットが感じられるようになりました.また夜の講演会や宴会がなくなったことも働き方改革となり,自分で使える時間が増えたように思います.遠隔授業に対する学生の評価はおおむね良好で自宅に居ながらにして講義を受けられるメリットは大きかったようです.授業をする側は,無機質無反応なPCに向かって話しかけるのはやりにくい面が多かったですが….学生からはチャット機能で質問がしやすいという意見もありました.テキストのほうがやりとりしやすいようで,スマホネイティブ世代の感覚に接したような気がしました.また,ステイホーム中の友人関係もスマホでしっかりつながっているため,閉塞感はわれわれ世代が心配するほどは感じていないようでした.しかし,遠隔授業は直接質問ができないのは嫌でした,友人と直接会えないのはストレスでした,という意見も少数ですが聞かれ,なぜかほっとしました.
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