Japanese
English
症例報告
Mosaic localized neurofibromatosis type 1の1例
A case of mosaic localized neurofibromatosis type 1
福島 桂子
1
,
蒲澤 美代子
1
,
甲斐 浩通
1
Keiko FUKUSHIMA
1
,
Miyoko KABASAWA
1
,
Hiromichi KAI
1
1河北総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kawakita General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
分節型神経線維腫症
,
限局性多発性神経線維腫
,
NF1
,
モザイク
Keyword:
分節型神経線維腫症
,
限局性多発性神経線維腫
,
NF1
,
モザイク
pp.787-790
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206160
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 50歳,男性.初診数年前より左上肢に3〜10mm大,淡褐色の弾性軟の皮膚腫瘍が神経分節に沿って出現し徐々に増数したため当科初診した.病理組織は小型の核を持つ紡錘形の細胞が錯綜するように増殖する腫瘍性病変で,神経線維腫の診断であった.カフェ・オ・レ斑や他のneurofibromatosis type 1(NF1)の明らかな症状はなく,mosaic localized NF1と診断した.Mosaic localized NF1は,NF1遺伝子の体細胞モザイクによって一部の神経節に限局してNF1の症状が現れる疾患である.本邦ではこれまで臨床像により限局性多発神経線維腫や,分節型神経線維腫と呼んできたが,分子遺伝学的機序の解明に伴い,より機序を反映したmosaic localized NF1という疾患名が提唱されている.Mosaic localized NF1は,病変部におけるNF1のナンセンス変異が全身のNF1を呈した子に認められた報告や,悪性末梢神経鞘腫を発症した報告があり,遺伝性や悪性疾患リスクについて把握する必要があると考える.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.