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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
2. 皮膚疾患の病態
制御性T細胞と皮膚疾患
Regulatory T cells in cutaneous diseases
小野 昌弘
1,2
Masahiro ONO
1,2
1京都大学再生医科学研究所
2京都大学大学院医学系研究科皮膚生命科学
1Institute for Frontier Medical Sciences, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
制御性T細胞
,
FoxP3
,
IPEX症候群
Keyword:
制御性T細胞
,
FoxP3
,
IPEX症候群
pp.57-61
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101944
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要約 通常のT細胞は細胞性免疫の中心的細胞として免疫反応を誘導し,病原体を排除するが,病的免疫反応である自己免疫反応なども引き起こしうる.一方で,一部のT細胞は,広範な免疫反応を抑制する機能を持つように分化することが知られている.このような免疫調節性T細胞の中で,転写因子FoxP3により機能が制御されるCD4+制御性T細胞(naturally occurring regulatory T cells:Treg)が現在最もよく解析され,理解が進んでいる.実際にTregの先天的欠損は,自己免疫病・アレルギー疾患・炎症性腸疾患の原因となる.また,通常の自己免疫疾患においても,Tregの異常が病態に関与していることが明らかになりつつある.一方で,悪性腫瘍においては,有益な抗腫瘍免疫反応を抑制することでTregが病態進行に寄与するという知見が積み上がってきている.こうした疾患の病態におけるTregの役割を明らかにすることは,Tregを制御することを通じた免疫制御という新しい治療につながる可能性がある.
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