症例
間質性肺炎を伴う皮膚筋炎,全身性強皮症患者に生じた皮膚ノカルジア症
松尾 晋祐
1
,
近澤 咲子
1
,
端本 宇志
1
,
西澤 綾
1
,
佐藤 貴浩
1
1防衛医科大学校,皮膚科学教室(主任:佐藤貴浩教授)
キーワード:
Nocardia farcinica
,
皮膚ノカルジア症
,
肺ノカルジア症
Keyword:
Nocardia farcinica
,
皮膚ノカルジア症
,
肺ノカルジア症
pp.2033-2036
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000409
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68 歳,女性。皮膚筋炎,強皮症,オーバーラップ症候群と間質性肺炎に対し,プレドニゾロン,シクロホスファミド内服中であった。3 カ月前に右大腿に皮下膿瘍が出現し,切開排膿で治癒した。その3 カ月後に,腹部に10×4 cm 大の皮下膿瘍を形成した。膿瘍と病変部皮膚組織の培養検査でグラム陽性桿菌を検出し,サブローデキストロース寒天培地で黄色顆粒状のコロニーが形成した。16SrRNA 遺伝子配列解析でNocardia farcinica と同定した。胸部CT では以前よりの肺の間質陰影に加え空洞性変化が確認された。肺から血行性に播種し皮膚に膿瘍を形成した続発性皮膚ノカルジア症と診断した。皮膚病変を伴うNocardiafarcinica 感染症は内臓病変の存在を示唆し,全身検索を考慮すべきと考えた。
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