Japanese
English
症例報告
Nocardia otitidiscaviarumによる続発性皮膚ノカルジア症の1例
A case of secondary cutaneous nocardiosis due to Nocardia otitidiscaviarum
内山 泉
1
,
伊藤 泰介
1
,
戸倉 新樹
1
Izumi UCHIYAMA
1
,
Taisuke ITO
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
皮膚ノカルジア症
,
続発性
,
Nocardia otitidiscaviarum
Keyword:
皮膚ノカルジア症
,
続発性
,
Nocardia otitidiscaviarum
pp.813-816
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103770
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要約 49歳,男性.初診1か月前より,誘因なく右臀部に疼痛を伴う直径約10cmの皮下腫瘤が出現したが,放置していた.その後血液検査にて急性骨髄性白血病と診断され,当院血液内科に入院し,臀部の皮下腫瘤について当科を紹介された.皮膚切開で淡黄色の混濁した粘稠な排膿があり,塗抹標本でグラム陽性の繊細な枝分かれした菌糸を認め,Ziehl-Neelsen染色で抗酸性を確認し,ノカルジア症と診断した.抗菌薬感受性試験,有機物分解能検査にてNocardia otitidiscaviarumと推定され,PCRとシークエンスによる遺伝子解析からも同菌種と同定された.肺の所見から肺ノカルジア症が疑われた.本人に外傷の既往はなく,続発性皮膚ノカルジア症と診断した.ST合剤10g/日の内服を行い,2か月後には皮下膿瘍,肺炎像も改善した.免疫不全患者に皮下膿瘍が生じた場合,ノカルジア症を念頭に置いて診断・治療すべきと考えられた.
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