Japanese
English
症例報告
抗リン脂質抗体が陽性であった皮膚動脈炎の1例
A case of antiphospholipid antibody positive cutaneous arteritis
種子島 智彦
1
,
中河原 怜子
1
,
村松 重典
2
,
竹林 英理子
1
Tomohiko TANEGASHIMA
1
,
Reiko NAKAGAWARA
1
,
Shigenori MURAMATSU
2
,
Eriko TAKEBAYASHI
1
1平塚共済病院皮膚科
2おしげ皮フ科クリニック
1Division of Dermatology, Hiratsuka Kyosai Hospital, Hiratsuka, Japan
2Oshige Dermatology Clinic, Hiratsuka, Japan
キーワード:
皮膚動脈炎
,
皮膚型結節性多発動脈炎
,
抗リン脂質抗体症候群
,
皮下結節
Keyword:
皮膚動脈炎
,
皮膚型結節性多発動脈炎
,
抗リン脂質抗体症候群
,
皮下結節
pp.207-211
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205964
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要約 42歳,男性.数年前より四肢に小豆大程度の皮下結節を自覚した.自発痛はないものの圧痛を生じたため,2018年3月に精査加療目的に当科紹介初診となった.一部切除生検したところ,病理組織学的所見で皮下脂肪織内の動脈炎を認めた.血清学的に抗リン脂質抗体が複数陽性であり,3か月後の再検査でも陽性となった.その他の膠原病の合併を否定できたが,血栓形成を証明できなかったため病理組織学的に皮膚動脈炎(cutaneous arteritis:CA)と診断した.CAの男性例は稀とされ,自験例のように抗リン脂質抗体が複数陽性の報告例は調べた限りなかった.抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid antibody syndrome:APS)に血管炎を伴う場合もあり,皮膚血管炎に一部の抗リン脂質抗体が関与していることも報告されているため,CAを含む皮膚血管炎とAPSが密接に関係する,もしくは一部overlapする可能性が考えられた.
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