Japanese
English
症例報告
再検で判明した第XIII因子低下を補正し紫斑の改善をみた治療抵抗性IgA血管炎の1例
A case of treatment-resistant IgA vasculitis successfully treated by correcting decreased factor XIII level detected by reexamination during the course
青木 孝司
1
,
福山 雅大
1
,
水川 良子
1
,
林田 真理
2
,
久松 理一
2
,
大山 学
1
Koji AOKI
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Mari HAYASHIDA
2
,
Tadakazu HISAMATU
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部消化器内科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Gastroenterology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
IgA血管炎
,
第XIII因子
,
白血球破砕性血管炎
,
十二指腸潰瘍
,
ステロイド抵抗性
Keyword:
IgA血管炎
,
第XIII因子
,
白血球破砕性血管炎
,
十二指腸潰瘍
,
ステロイド抵抗性
pp.1042-1046
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205899
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要約 25歳,男性.初診2日前より腹痛,関節痛とともに両下腿に皮疹が出現した.初診時,両下肢に浸潤を触れる紫斑が散見された.第XIII因子活性は94%であった.組織学的に真皮浅層の白血球破砕性血管炎がみられ,蛍光抗体直接法にて血管壁にIgAの沈着がありIgA血管炎と診断した.安静にて紫斑は改善したが,腹痛が持続し,その後,紫斑が再燃した.上部消化管内視鏡検査で十二指腸潰瘍がみられたためプレドニゾロンの内服を開始した.腹痛は速やかに軽快したが,紫斑は難治であった.第XIII因子活性を再検したところ60%と低下しており,補充療法を施行し紫斑は速やかに消失した.現在,皮疹に対する第XIII因子補充療法の有効性を支持する明確なエビデンスはないが,自験例のように紫斑のみが難治である場合でも,第XIII因子活性が低下していた場合には補充療法が奏効する可能性があるため,経過により再検する必要があると考えた.
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