Japanese
English
症例報告
デノスマブ投与中の患者に発症した水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid developed during denosumab treatment
赤芝 知己
1,2
,
関根 万里
2
Tomomi AKASHIBA
1,2
,
Mari SEKINE
2
1東邦大学医学部皮膚科学講座
2東京都保健医療公社荏原病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University School of Medicine, Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Ebara Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
デノスマブ
,
水疱性類天疱瘡
,
骨粗鬆症
Keyword:
デノスマブ
,
水疱性類天疱瘡
,
骨粗鬆症
pp.597-602
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205798
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要約 80歳,女性.初診8か月前に近医にて骨粗鬆症治療薬であるデノスマブ60mgを初めて皮下注射したところ,胸部に皮疹がみられ,1か月前に再投与したところ全身に水疱を伴う皮疹が出現したため,当科を受診した.初診時,軀幹・上肢・下腿に紅斑を伴う大小様々な不整形のびらん,痂皮,血痂が多発.手掌には小豆大までの緊満性水疱が散在していた.血液検査では抗BP180抗体が104U/mlと上昇.病理組織は表皮真皮境界部に軽度の液状変性,表皮直下に水疱,水疱内に好酸球の浸潤がみられた.蛍光抗体直接法では表皮真皮境界部にIgGとC3が線状沈着しており,水疱性類天疱瘡と診断した.なお,薬剤リンパ球刺激試験は施行できず,再投与試験も行えなかった.プレドニゾロン投与にて軽快し,漸減中である.デノスマブ60mgは2013年の本邦承認後,BPを伴ったとする報告はなく,今後整形外科領域での使用が増えると考えられるため報告する.
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