Japanese
English
症例報告
心臓カテーテル治療施行後に生じた放射線皮膚炎の1例
A case of radiodermatitis following coronary interventional radiology
沢辺 優木子
1
,
田中 隆光
1
,
石川 武子
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
多田 弥生
1
Yukiko SAWABE
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
interventional radiology
,
経皮的冠動脈形成術
,
percutaneous coronary intervention
,
放射線皮膚障害
,
デブリードマン
Keyword:
interventional radiology
,
経皮的冠動脈形成術
,
percutaneous coronary intervention
,
放射線皮膚障害
,
デブリードマン
pp.391-395
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205753
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要約 63歳,女性.初診の約3年前に不安定狭心症に対して経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)を計3回施行.PCI施行後約1年半が経過し,右背部に軽度瘙痒を伴う紅斑が出現した.皮疹は徐々に拡大,表皮は菲薄化し皮下は硬化した.中央には潰瘍が出現した.近医にて外用加療を受けたが改善せず当科を受診した.PCIによる放射線皮膚潰瘍と診断し,中央の潰瘍部のみ切除生検するも創が哆開し治癒が遷延した.その後,潰瘍周囲の紅斑部と皮下が硬化した部分までの広範囲のデブリードマンおよび分層植皮術を施行し一部にびらんを呈したが,大部分では生着し上皮化した.外科的治療はこのように正常な組織が露出するまで可能な限り十分なデブリードマンをする必要がある.またPCIによる放射線障害は特徴的な部位にできるが,遅発性障害で照射後時間が経ってから生じ,罹患した冠動脈枝や患者の体厚の影響もあり正確な知識と解釈が必要と考えられた.
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