Japanese
English
症例報告
老人性血管腫の皮膚生検より診断しえた血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
A case of intravascular large B-cell lymphoma diagnosed with biopsy from senile hemangioma
椎山 理恵
1
,
長田 俊佑
2
,
長村 義之
3
,
石橋 正史
1
Rie SHIIYAMA
1
,
Syunsuke NAGATA
2
,
Yoshiyuki OSAMURA
3
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
2日本鋼管病院内科
3日本鋼管病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
2Division of Internal Medicine, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
3Division of Pathology, Nippon Kohkan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
血管内大細胞型B細胞リンパ腫
,
老人性血管腫
,
ランダム皮膚生検
Keyword:
血管内大細胞型B細胞リンパ腫
,
老人性血管腫
,
ランダム皮膚生検
pp.265-270
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205665
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要約 90歳,女性.2018年11月初旬に39℃の発熱,呼吸苦が出現した.精査加療目的に内科へ入院し,各種検査を行ったが原因不明であり,抗菌薬投与を継続したが38℃前後の発熱は継続した.血液検査にてLDH 512U/l,可溶性IL-2レセプター2,550U/mlと高値を示したことから入院14日目に血液内科へコンサルトしたところ血管内リンパ腫が疑われた.当科に皮膚生検依頼あり,軀幹・四肢の老人性血管腫6か所より皮膚生検を実施した.いずれの検体からも真皮浅層,真皮深層,脂肪織内の血管内にCD20およびCD79a陽性の異型リンパ球を認め,血管内大細胞型B細胞リンパ腫と診断した.治療は減量R-CHOP療法を開始し,奏効した.本疾患の診断には生検が必須であり,比較的安全に施行できるランダム皮膚生検の有用性の報告が多い.老人性血管腫の生検の陽性率の高さと有用性を支持する結果であり,老人性血管腫を認める際は積極的に生検を施行すると陽性率が上がると考えた.
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