Japanese
English
特集 脊髄病理が診断や病態理解に重要な疾患
血管内大細胞型B細胞リンパ腫
Intravascular Large B-cell Lymphoma(IVLBCL)
渡辺 宏久
1
,
林 和孝
1
,
加藤 邦尚
1
,
長尾 龍之介
1
Hirohisa WATANABE
1
,
Kazutaka HAYASHI
1
,
Kunihisa KATO
1
,
Ryunosuke NAGAO
1
1藤田医科大学医学部脳神経内科学
1Department of Neurology, Fujita Health University, School of Medicine
キーワード:
ミエロパチー
,
myelopathy
,
リキッドバイオプシー
,
liquid biopsy
,
ランダム皮膚生検
,
random skin biopsy
Keyword:
ミエロパチー
,
myelopathy
,
リキッドバイオプシー
,
liquid biopsy
,
ランダム皮膚生検
,
random skin biopsy
pp.767-774
発行日 2023年3月24日
Published Date 2023/3/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201945
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はじめに
悪性リンパ腫による脊髄への障害は,脊髄原発悪性リンパ腫,lymphomatosis cerebri,リンパ腫性髄膜炎,転移性硬膜外腫瘍,血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma:IVLBCL)など多岐にわたる.この中でIVLBCLは,組織学的に全身臓器の小血管内腔に腫瘍細胞が増殖するまれな節外性B細胞リンパ腫〔びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)の一亜型〕である.IVLBCLは,血管内腫瘍細胞の起源が血管内皮と考えられていたことからmalignant angioendotheliomatosisやintravascular endotheliomaと呼ばれていたこともあった.また,NK細胞やT細胞が血管内に充満して同様の臨床像を呈することもあるため,intravascular lymphomaや,intravascular malignant lymphomatosisなどの病名で報告されている場合もある.
中枢神経はIVLBCLの好発部位の1つであり,IVLBCLによるミエロパチー症例は1974年に初めて報告された3).IVLBCLによるミエロパチー症例で良好な予後を得るには早期診断が重要であり,そのためには臨床特徴ならびに病理所見に基づく画像特徴を知っておく必要がある.ここでは,IVLBCLによるミエロパチー症例の病理変化をまとめ,それを踏まえた臨床像,脊髄MRI所見をまとめ,診断アプローチを整理してみたい.
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