Japanese
English
症例報告
CD4−CD8+菌状息肉症患者に生じた皮膚クリプトコックス感染症の1例
A case of cutaneous Cryptococcus infection in a patient with CD4−CD8+ mycosis fungoides
湊 はる香
1
,
工藤 比等志
1
,
為金 現
2
Haruka MINATO
1
,
Hitoshi KUDO
1
,
Akira TAMEKANE
2
1兵庫県立尼崎総合医療センター皮膚科
2兵庫県立尼崎総合医療センター血液腫瘍内科
1Division of Dermatology, Hyogo Prefectural Amagasaki General Medical Center, Amagasaki, Japan
2Division of Hematology and Oncology, Hyogo Prefectural Amagasaki General Medical Center, Amagasaki, Japan
キーワード:
皮膚クリプトコックス症
,
菌状息肉症
Keyword:
皮膚クリプトコックス症
,
菌状息肉症
pp.271-276
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205666
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要約 83歳,女性.全身の瘙痒を伴う紅斑で当科を受診した.皮膚生検および骨髄生検にてCD4−CD8+菌状息肉症と診断した.紫外線療法や抗悪性腫瘍薬で治療中に左上肢に蜂窩織炎を発症,その後,左前腕に皮下硬結が生じた.菌状息肉症の腫瘤を疑い生検したところ,皮下に多数のCryptococcus neoformansを認めた.他臓器には病変を認めなかったため,原発性皮膚クリプトコックス感染症と診断しイトラコナゾール内服療法で治療を開始した.徐々に左上肢の発赤と腫脹は改善し,皮下硬結も縮小した.過去の報告例によると,皮膚クリプトコックス症の皮膚症状は多彩であり,蜂窩織炎様の症状を呈することも多い.免疫抑制状態にある患者の蜂窩織炎をみた際には,皮膚クリプトコックス症も念頭に置いて治療にあたることが必要と考えられた.また,他臓器に病変がないかどうかは,画像検査のみで判断するのではなく各種培養検査や髄液検査なども積極的に行って確認する必要がある.
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