Japanese
English
症例報告
パラベンと染毛剤アレルギーによる顔面難治性湿疹の1例
A case of refractory facial eczema caused by paraben and hair dye
石川 裕子
1
,
関東 裕美
1
,
馬場 加那子
1
,
伊藤 崇
1
,
鷲崎 久美子
2
,
石井 健
1
,
石河 晃
1
Yuko ISHIKAWA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Kanako BABA
1
,
Takashi ITO
1
,
Kumiko WASHIZAKI
2
,
Ken ISHII
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2大森町皮ふ科
1Department of Dermatology(Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Omorimachi Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
パッチテスト
,
パラベン
,
染毛剤
,
パラフェニレンジアミン
,
交差感作
Keyword:
パッチテスト
,
パラベン
,
染毛剤
,
パラフェニレンジアミン
,
交差感作
pp.947-952
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205564
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要約 59歳,女性.特記すべき既往歴なし.1年前から前額部に瘙痒を伴う紅斑が出現した.近医にて外用薬で加療していたが,皮疹は改善・再燃を繰り返していた.2か月前より両耳介,体幹に皮疹が拡大し難治性のため当科を受診した.染毛剤,化粧品による接触皮膚炎を疑い,それらの使用を中止させたが,皮疹の改善はみられなかった.パッチテストにより染毛剤アレルギーと,化粧品・外用薬に共通して添加されていたパラベンアレルギーが判明した.陽性を呈したパラフェニレンジアミン,Paraben mix,Caine mixの反応は交差感作と考えた.パラベンアレルギーのある患者は染毛剤や局所麻酔薬にも感作されている可能性があり,パラベンアレルギーを疑った場合はパラベンを使用禁止にすることとともに,染毛剤や局所麻酔薬に対するアレルギーについても検討する必要があると考える.
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