Japanese
English
今月の症例
肥満女性に生じたelephantiasis nostras verrucosaの1例
A case of elephantiasis nostras verrucosa occurring in obese women
小原 芙美子
1
,
漆畑 真理
1
,
関東 裕美
1
,
鷲崎 久美子
1
,
石井 健
1
,
武田 朋子
2
,
石河 晃
1
Fumiko OHARA
1
,
Mari URUSHIBATA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Kumiko WASHIZAKI
1
,
Ken ISHII
1
,
Tomoko TAKEDA
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
2東京都
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Tokyo, Japan
キーワード:
elephantiasis nostras verrucosa
,
象皮症
Keyword:
elephantiasis nostras verrucosa
,
象皮症
pp.270-274
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204367
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要約 59歳,女性.13年前から両下肢浮腫を認め,2年前より下腿蜂窩織炎を繰り返していた.2012年4月末より両下腿に掻痒を認め,掻破を繰り返した後に発赤・腫脹が出現した.細菌感染を恐れて入浴せず放置し,症状が増悪したため,5月中旬に当院を受診した.BMI 48という肥満体型であり,両下腿に白色調の角化性局面を認め,足関節周囲には悪臭を伴う不良肉芽が疣状隆起して局面を形成していた.病理組織像は,表皮は偽癌性増殖を呈し,真皮浅層に浮腫,乳頭層に脈管増生,真皮浅・中層および脈管周囲に炎症細胞浸潤を認めた.臨床および病理組織像よりelephantiasis nostras verrucosaと診断した.自己処置不能であったことから入院とし,局所洗浄・サリチル酸ワセリン®外用・弾性包帯の圧迫の継続により,症状の軽快・再発を繰り返しながら皮疹は平坦化した.病識のなさや自己管理不足が難治の原因と考えられ,生活指導が課題である.
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