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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
1.最近話題の皮膚疾患
Transient neonatal zinc deficiency
Transient neonatal zinc deficiency
六戸 大樹
1
,
中野 創
1
,
澤村 大輔
1
Daiki ROKUNOHE
1
,
Hajime NAKANO
1
,
Daisuke SAWAMURA
1
1弘前大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Hirosaki University Graduate School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
SLC30A2
,
ZnT2
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
低亜鉛母乳
,
SLC30A2
,
ZnT2
pp.27-30
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204394
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summary
Transient neonatal zinc deficiency(TNZD)は,近年,原因遺伝子が判明した遺伝性亜鉛欠乏症である.母親のSLC30A2遺伝子変異によって,乳腺細胞の亜鉛トランスポーターZnT2に機能障害が生じると,乳汁中への亜鉛分泌量が低下し,低亜鉛母乳となる.この母乳による哺育中,児は低亜鉛血症をきたし,亜鉛欠乏症状を呈するが,離乳開始後に症状が改善,治癒する.すなわち,TNZDの発症は母親の遺伝子変異に依存しており,発症者本人の遺伝子変異と無関係であるという点で,臨床遺伝学的に特異な疾患である.過去に低亜鉛母乳による後天性亜鉛欠乏症と診断された症例の中には,TNZDが含まれていた可能性がある.本疾患の認知度を向上させ,さらなる症例の蓄積と詳細な解析が必要である.
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