Japanese
English
症例報告
生検後に消褪傾向がみられたMerkel細胞癌
Merkel cell carcinoma showing spontaneous regression after skin biopsy
是川 あゆ美
1
,
金子 高英
1
,
池永 五月
1
,
中島 康爾
1
,
中野 創
1
,
澤村 大輔
1
,
今田 吏津子
2
Ayumi KOREKAWA
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Satsuki IKENAGA
1
,
Koji NAKAJIMA
1
,
Hajime NAKANO
1
,
Daisuke SAWAMURA
1
,
Ritsuko KONTA
2
1弘前大学医学部皮膚科
2こんた皮膚科
1Department of Dermatology,Hirosaki University School of Medicine,Hirosaki,Japan
2Konta Dermatological Clinic,Hirosaki,Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
自然消褪
,
cytokeratin 20
,
リンパ濾胞様構造
Keyword:
Merkel細胞癌
,
自然消褪
,
cytokeratin 20
,
リンパ濾胞様構造
pp.409-413
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102329
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要約 84歳,女性.初診の3か月前より右頰部に腫瘤が出現した.前医皮膚科での皮膚生検でMerkel細胞癌と診断され,当科を紹介された.右頰部に直径21mmの表面暗赤色の皮内から皮下腫瘤を触知し,皮膚生検で真皮内~皮下組織に好塩基性細胞が充実性・索状に増殖し,cytokeratin 20とNSE染色陽性で,Merkel細胞癌と診断した.生検後35日目の手術時には,腫瘤は縮小しており,組織像ではリンパ濾胞様構造を伴うリンパ球浸潤がほとんどで,cytokeratin 20陽性の腫瘍細胞はわずかで,消褪傾向を示したと判断した.本邦では消褪傾向を示したMerkel細胞癌は自験例が25例目である.消褪機序は,腫瘍細胞のapoptosisやリンパ球による免疫学的攻撃などが考えられており,本症例のリンパ球浸潤は細胞性免疫の自然消褪への関与を示すと考えた.
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