Japanese
English
症例報告
高齢発症の若年性側頭動脈炎の1例
A case of eldery onset juvenile temporal arteritis
池田 智行
1
,
筒井 清広
1
,
牧本 和彦
2
,
加治 賢三
3
Tomoyuki IKEDA
1
,
Kiyohiro TSUTSUI
1
,
Kazuhiko MAKIMOTO
2
,
Kenzo KAJI
3
1石川県立中央病院皮膚科
2石川県立中央病院形成外科
3かじ皮膚科クリニック
1Division of Dermatology, Ishikawa Prefectual Central Hospital, Kanazawa, Japan
2Division of Plastic and Reconstructive Surgery, Ishikawa Prefectual Central Hospital, Kanazawa, Japan
3Kaji Dermatology Clinic, Nonoichi, Japan
キーワード:
若年性側頭動脈炎
,
高齢発症
Keyword:
若年性側頭動脈炎
,
高齢発症
pp.670-674
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205498
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要約 79歳,女性.初診1週間前より右前額部に軽度の圧痛を伴う弾性硬の皮下結節が出現した.前医を受診し精査目的に当科へ紹介された.初診時,両側の側頭動脈が怒張し右側頭動脈の頭側に弾性硬の皮下結節があった.白血球数,好酸球分画,CRP,血沈は正常値を示した.頭痛,発熱,倦怠感,視力障害などの全身症状なし.表在エコーで,拡張し血管壁が不均一に肥厚した動脈があり,血流がみられた.側頭動脈生検で外膜〜中膜に稠密な肉芽腫様の炎症細胞浸潤を認め,好酸球,リンパ球,好中球および一部に巨細胞から成っていた.動脈壁にフィブリノイド変性,石灰化,弾性板の断裂がみられた.臨床症状,病理組織所見より高齢発症の若年性側頭動脈炎と診断した.無治療で経過観察した.本症は予後の良い疾患であり無治療で経過観察して良いとされるが,高齢発症の報告は少なく今後も症例の集積と検討が必要である.
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