Japanese
English
今月の症例
好酸球増多を伴う若年性側頭動脈炎の1例
A case of juvenile temporal arteritis with eosinophilia
柴田 夕夏
1,2
,
石井 賢太郎
2
,
園田 広弥
2
,
高橋 宏治
2
,
大松 華子
2
,
中川 秀己
1
,
朝比奈 昭彦
1,2
Yuka SHIBATA
1,2
,
Kentaro ISHII
2
,
Koya SONODA
2
,
Koji TAKAHASHI
2
,
Hanako OHMATSU
2
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Akihiko ASAHINA
1,2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2国立病院機構相模原病院皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, National Hospital Organization Sagamihara National Hospital, Sagamihara, Japan
キーワード:
若年性側頭動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
Keyword:
若年性側頭動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
pp.278-283
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204701
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要約 37歳,男性.2か月前から自覚症状を伴わない右額部の隆起が出現した.次第に左側も同様に隆起してきた.初診時,両側額部外側にわずかに拍動を触れる,弾性硬,太さ2mmの線状に蛇行する皮下硬結を触知した.超音波所見では血管壁肥厚とともに血流が亢進していた.病理組織学的所見では血管内腔の狭窄と血管内膜の線維性肥厚がみられ,血管壁および周囲の間質に全周性に高度の好酸球およびリンパ球浸潤がみられたが,多核巨細胞の浸潤はなかった.Elastica van Gieson染色では血管内弾性板の断裂を認めた.以上より好酸球増多を伴う若年性側頭動脈炎と診断し,自覚症状を認めないため経過観察とした.本症は予後の良い疾患とされているが統計学的検討はほとんどされておらず,また近年,巨細胞を伴わない側頭動脈炎に引き続き好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を発症した例も報告されているため,注意深い経過観察が必要である.
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