発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252315
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49歳女.腰背部痛,左大腿部腫瘤,疼痛を主訴とした.1986年頃から左大腿部腫瘤に気づいていた.腫瘤は徐々に大きくなり,1999年頃から疼痛が著明になって,夜間腰背部痛が出現した.身体所見から神経線維腫症を疑い,頭部MRIで両側の小脳橋角部に聴神経腫瘍を確認し,神経線維腫症2型と診断した.脊髄MRIでは多発脊髄腫を認めた.左大腿部腫瘍の切開生検術を施行し,病理診断は神経鞘腫であった.手術を施行したところ,腫瘍は総腓骨神経から発生しており,神経を切断して摘出した.脊髄腫瘍は,疼痛の原因と考えられるTh12-L1高位にかけての腫瘍だけを顕微鏡下の摘出した.病理組織所見では髄膜腫であった.両側聴神経鞘腫は大きさに変化がなく,現在経過観察中である.染色体検査で,22番の染色体には異常を認めなかったが,8番染色体のトリソミー,11,21番のモノトミーが認められた.これまでにこのような異常の報告はない
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