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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995
III 新しし検査法と診断法
神経鞘腫症の遺伝子解析
Analysis of neurilemmomatosis gene
本田 まりこ
1
,
新村 眞人
1
Mariko HONDA
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
神経鞘腫症
,
神経線維腫症2型
,
遺伝子解析
Keyword:
神経鞘腫症
,
神経線維腫症2型
,
遺伝子解析
pp.107-111
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901523
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神経線維腫症(NF)は臨床的に,また遺伝的に2型に分類されている.NF1は末梢の神経線維腫,カフェ・オ・レ斑が特徴となる優性遺伝性疾患で,遺伝子は17q11.2に座位し,その蛋白はニューロファイブロミンと命名され,ras遺伝子機能を抑制するGTPase活性を有し,微小管に局在する.一方,NF2は両側性聴神経腫瘍,髄膜腫,神経膠腫,神経鞘腫などを合併する優性遺伝性疾患で,遺伝子は22q12に座位し,その蛋白はmerlinと呼ばれ,細胞膜と細胞骨格を連結させるmoesin-ezrin-radixinと相同性がみられる.神経鞘腫症は皮膚や脊髄などの末梢神経に神経鞘腫が多発する疾患で,たまたま聴神経腫瘍を合併しないか,またはこれから合併する症例と考えられる.今回,聴神経腫瘍を合併しない神経鞘腫症7例についてNF2遺伝子の解析を行い,3例にgerm lineの変異を検出し,神経鞘腫症はNF2と同一疾患であることを明らかにした.
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