Japanese
English
症例報告
上大静脈症候群に伴う顔面の腫脹を契機に胸腺癌が発見された1例
A case of the thymic carcinoma detected by the facial swelling caused by superior vena caval syndrome
藤原 千紗子
1
,
茂木 精一郎
1
,
石川 治
1
Chisako FUJIWARA
1
,
Sei-ichiro MOTEGI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gumma University School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
顔面腫脹
,
上大静脈症候群
,
胸腺癌
Keyword:
顔面腫脹
,
上大静脈症候群
,
胸腺癌
pp.705-708
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205184
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要約 64歳,女性.初診2か月前から上眼瞼から頰部にかけての腫脹を自覚し,内科を複数受診したが原因不明として経過観察されていた.近医皮膚科で白血球増多,抗核抗体陽性,CRP軽度上昇が認められたため,膠原病を疑われ当科を紹介され受診した.初診時,両側上眼瞼と頰部に腫脹があり,淡紅色調を呈していた.手指尖端にわずかに角化がみられた.皮膚筋炎を疑い悪性腫瘍,間質性肺炎の検索目的にFDG-PET検査,胸部CT検査を行ったところ胸腺癌が発見され,顔面の腫脹は上大静脈症候群によるものと診断した.顔面の持続性浮腫・紅斑を主訴とする患者を診療する場合には,上大静脈症候群も念頭に置いて精査する必要があると考えた.
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