Japanese
English
原著
平滑筋肉腫の皮膚転移
Cutaneous Metastasis of Leiomyosarcoma
橋爪 鈴男
1
,
久保 和夫
1
,
徳橋 至
1
,
下田 祥由
1
,
袖本 幸男
2
,
牛込 新一郎
2
Suzuo HASHIZUME
1
,
Kazuo KUBO
1
,
Itaru TOKUHASHI
1
,
Nagayoshi SHIMODA
1
,
Yukio SODEMOTO
2
,
Shinichiro USHIGOME
2
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
2聖マリアンナ医科大学第二病理学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
2The Second Department of Pathology, St. Marianna University School of Medicine
pp.947-953
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203133
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患者は43歳,女性で,3年半前に子宮筋腫の診断のもとに子宮全摘術をうけている.初診3〜4カ月前に数個の小豆大までの頭皮下結節に気づき来院.リンパ節は触知せず.転移性皮膚腫瘍の診断にて生検を行なった.皮下病巣は分化度の高い平滑筋肉腫で,紡錘形細胞の集簇からなる境界鮮明な結節として認められた.腫瘍細胞は不規則,相互に交錯する束状構造をつくり,非常に密に増殖していた.核は比較的異型性に乏しいが,核分裂像をかなり認めた.酵素抗体法にてミオシン染色は陽性を示した.微細構造的にも平滑筋細胞構造を呈しており,平滑筋肉腫の皮膚転移と診断した.両肺に多発性転移を認めた.子宮筋腫とされた組織の再検討にて,子宮原発と考えた.平滑筋肉腫の皮膚転移は,皮膚科領域ではきわめて稀であり,文献的検討を行なった.その結果,頭部への転移が比較的多いことや,転移時期は他の悪性腫瘍に較べ,やや遅いことなどが認められた.
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