Japanese
English
症例報告
腹部に生じた有茎性囊腫型基底細胞癌の1例
A case of pedunculated cystic type basal cell carcinoma on the abdomen
岡田 みどり
1
,
北場 俊
2
,
樽谷 勝仁
1
,
妻野 知子
3
,
梅田 晋嗣
4
Midori OKADA
1
,
Shun KITABA
2
,
Masahito TARUTANI
1
,
Tomoko TSUMANO
3
,
Shinji UMEDA
4
1近畿中央病院皮膚科
2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
3近畿中央病院形成外科
4梅田スキンクリニック
1Division of Dermatology, Kinki Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers, Itami, Japan
2Department of Dermatology, Osaka University, Osaka, Japan
3Division of Plastic Surgery, Kinki Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers, Itami, Japan
4Umeda Skin Clinic, Hyogo, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
有茎性
,
囊腫型
Keyword:
基底細胞癌
,
有茎性
,
囊腫型
pp.919-922
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205233
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要約 58歳,男性.初診の1年6か月前より左腹部に結節が出現,徐々に拡大したため2013年7月当科を紹介され受診した.初診時,左腹部に25×15mm,高さ12mmの有茎性,表面に凹凸のある光沢を帯びた弾性やや軟の黒色の単発性結節を認めた.結節の一部はびらん,痂皮を伴っていた.臨床的にエクリン汗孔腫,基底細胞癌,悪性黒色腫などを鑑別に挙げ切除した.病理組織学的に層状に腫瘍細胞胞巣を認め,胞巣内には囊腫状の空胞構造を認めた.最外層は表皮に一部連続し,細胞が柵状に配列しており,腫瘍細胞は好塩基性で核分裂像を散見した.以上より囊腫型基底細胞癌と診断した.基底細胞癌が有茎性を呈する例は比較的稀であり,その発生機序にはさまざまな要因が関わっているとされている.自験例では外的刺激と囊腫状の構造が関連していると考えた.外的刺激を受けやすい場所に有茎性の黒色腫瘤を認めた場合,基底細胞癌を念頭に置き,ダーモスコピー検査などを施行し鑑別する必要があると考えた.
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