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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019
5.皮膚科医のための臨床トピックス
肛囲のPaget病の鑑別におけるGATA3,CDX2免疫染色の有用性
GATA3 and CDX2 immunohistochemistry for extramammary Paget's disease with perianal distribution
高井 利浩
1
Toshihiro TAKAI
1
1兵庫県立がんセンター皮膚科
1Department of Dermatology, Hyogo Cancer Center, Akashi, Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
皮膚原発
,
二次性Paget病
,
Paget現象
,
肛門管癌
Keyword:
乳房外Paget病
,
皮膚原発
,
二次性Paget病
,
Paget現象
,
肛門管癌
pp.183-185
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205744
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summary
外陰部の乳房外Paget病で,肛門周囲に病変が分布する場合,それが皮膚原発Paget病か肛門直腸に由来する二次性Paget病かが問題となる.両者は臨床像に加えて病理組織所見も類似するが,皮膚原発であれば皮膚病変に対する治療で根治しうる一方,二次性EMPDの場合には,下部消化管の癌腫の併存を前提とした治療方針を立てる必要があり,これら二者の鑑別は重要な意義を持つ.免疫染色で,皮膚原発のPaget病では一般にCK7陽性,CK20陰性,直腸/肛門管癌はCK7は不定,CK20は一般に陽性とされ,これらの免疫染色が二者の鑑別に有用とされるが,時に例外もあり精度の高い鑑別は難しい場合がある.明確な皮膚原発Paget病の症例と,下部消化管癌の併存を確認された二次性Paget病の例でCK7,CK20に加え,CDX2,GATA3による免疫染色を行った結果,これら2種のマーカーの併用で,鑑別の感度,特異度が向上することを報告した.広く普及していて多くの施設で実施可能,かつ有用な免疫染色と考えられる.
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