Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
高カルシウム血症を呈したPTHrP産生有棘細胞癌の1例
PTHrP-producing Cutaneous Squamous Cell Carcinoma Associated with Hypercalcemia
大橋 隆宏
1
,
加藤 潤史
1
,
山田 茉生
1
,
小林 景樹
1
,
亀倉 南穂
1
,
菅 裕司
1
,
肥田 時征
1
,
山下 利春
1
,
阿久津 裕
2
Takahiro OHASHI
1
,
Junji KATO
1
,
Mao YAMADA
1
,
Keiju KOBAYASHI
1
,
Naho KAMEKURA
1
,
Yuji KAN
1
,
Tokimasa HIDA
1
,
Toshiharu YAMASHITA
1
,
Yutaka AKUTSU
2
1札幌医科大学,皮膚科学教室
2NTT東日本札幌病院,皮膚科
キーワード:
有棘細胞癌
,
高カルシウム血症
,
PTHrP
,
慢性膿皮症
,
瘢痕癌
Keyword:
有棘細胞癌
,
高カルシウム血症
,
PTHrP
,
慢性膿皮症
,
瘢痕癌
pp.313-317
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000611
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58歳,男性。右鼠径部の慢性膿皮症に発生した有棘細胞癌の治療目的で,当科に入院した。入院時,肺転移,高カルシウム血症,腎機能低下および副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)高値を認めた。免疫組織化学染色で腫瘍細胞PTHrPに染色されたため,PTHrP産生腫瘍と考えた。高カルシウム血症を是正後,放射線照射および化学療法により腫瘍は縮小し,腎障害も改善した。治療により約3カ月間にわたって腫瘍が縮小したが,肺転移の増悪で入院171日目に死亡した。PTHrP高値を呈した有棘細胞癌はまれであるが,慢性膿皮症などの瘢痕を発生母地とした瘢痕癌症例に多くみられ,予後不良症例が多い。
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