Japanese
English
症例報告
肺炎球菌による両下肢の壊死性軟部組織感染症の1例
A case of necrosis of bilateral legs with necrotizing soft tissue infections caused by a pneumococcus
平川 佳葉子
1
,
梅田 直樹
1
,
森川 博文
1
,
櫻谷 正明
2
,
平田 旭
2
Kayoko HIRAKAWA
1
,
Naoki UMEDA
1
,
Hirofumi MORIKAWA
1
,
Masaaki SAKURAYA
2
,
Akira HIRATA
2
1厚生連廣島総合病院皮膚科
2厚生連廣島総合病院救急・集中治療科
1Division of Dermatology, Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
2Division of Emergency Service・Intensive Care Unit, Hiroshima General Hospital, Hatukaichi, Japan
キーワード:
成人侵襲性肺炎球菌感染症
,
ムコイド型
,
壊死性軟部組織感染症
,
肺炎球菌ワクチン
Keyword:
成人侵襲性肺炎球菌感染症
,
ムコイド型
,
壊死性軟部組織感染症
,
肺炎球菌ワクチン
pp.733-738
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205190
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要約 69歳女性.発熱と呼吸苦のため当院を救急受診した.画像上肺炎を認め,尿中肺炎球菌抗原陽性であることから,肺炎球菌性肺炎として入院加療が行われた.入院翌日に,右下肢の腫脹と左足底部の血疱,紫斑が出現したため,当科に紹介され入院した.左足底部の血疱および血液の塗抹からムコイド型肺炎球菌を検出し,侵襲性肺炎球菌感染症と診断した.徐々に両下肢の壊死が進行したため,全身状態が落ち着いた段階で,右大腿切断と左足根骨レベルでの切断を行った.ムコイド型肺炎球菌の多くは血清型3型であり,大量の莢膜につつまれ,重症化し,死亡率も高いことが知られている.肺炎球菌感染症に伴って今回の症状が出現したことについて,若干の検討を加えてみた.下肢の切断時期や病態解明のためにも,今後のさらなる同様な症例の蓄積が必要と考える.
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