Japanese
English
症例報告
虫よけ剤に含まれるディートによる接触蕁麻疹の1例
A case of contact urticaria caused by DEET-containing insect repellent
植田 郁子
1
,
植木 瑶子
1
,
岸本 泉
1
,
神戸 直智
1
,
岡本 祐之
1
,
伊藤 健人
2
Ikuko UEDA
1
,
Yoko UEKI
1
,
Izumi KISHIMOTO
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
,
Taketo ITOH
2
1関西医科大学附属病院皮膚科
2伊藤皮フ科
1Department of Dermatology, Kansai Medical University, Hirakata, Japan
2Itoh Dermatology, Kyotanabe, Japan
キーワード:
接触蕁麻疹
,
虫よけ剤
,
ディート(DEET)
Keyword:
接触蕁麻疹
,
虫よけ剤
,
ディート(DEET)
pp.397-400
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205114
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 7歳,女児.初診の4か月前より虫よけ剤を使用後に膨疹が出現するため当科を紹介受診した.使用した虫よけ剤のうち1種を用いてオープンパッチテストを施行したところ,塗布30分後に塗布部位に一致して膨疹がみられた.さらに虫よけ剤の各種成分を用いてそれぞれオープンパッチテストを施行したところ,ディート(N, N-diethyl-m-toluamide)塗布部位にのみ膨疹が出現したことから,ディートによる接触蕁麻疹と診断した.オープンパッチテスト中に塗布部位を越える膨疹の拡大や気道・消化器症状などの全身症状の出現はなかった.ディートによる接触蕁麻疹は海外では報告されているが,本邦ではこれまでに報告をみない.近年,蚊などの虫が媒介する病気の予防のためなどで,屋外活動時に,虫よけ剤が頻用されており,同様の症例が増加することが予測される.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.