Japanese
English
症例報告
肺炎球菌ワクチン接種を契機に発症したと考えられたアムロジピンベシル酸塩による扁平苔癬型薬疹の1例
A case of lichenoid drug eruption due to amlodipine besilate triggered by pneumococcal vaccine
大野 優
1
,
清宮 有希
1
,
吉方 佑美恵
1
,
鴇田 真海
1
,
尾上 智彦
1
,
本田 まりこ
1
Yu OHNO
1
,
Yuki KIYOMIYA
1
,
Yumie YOSHIKATA
1
,
Mami TOKITA
1
,
Tomohiko ONOE
1
,
Mariko HONDA
1
1東京慈恵会医科大学付属病院葛飾医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University, Tokyo, Japan
キーワード:
扁平苔癬型薬疹
,
苔癬型組織反応
,
肺炎球菌ワクチン
,
アムロジピンベシル酸塩
Keyword:
扁平苔癬型薬疹
,
苔癬型組織反応
,
肺炎球菌ワクチン
,
アムロジピンベシル酸塩
pp.997-1002
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204609
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 69歳,女性.高血圧症のため,6年前からアムロジピンベシル酸塩を内服していた.肺炎球菌ワクチンを接種した翌日から,紅色丘疹が鼠径部に出現した.約2週間で,3〜5mm大の紅色または紫紅色丘疹と褐色斑が顔面を除く全身に広がった.病理組織所見は,液状変性やCivatte body,真皮上層の帯状の炎症細胞浸潤を認め,苔癬型組織反応を呈していた.アムロジピンベシル酸塩による扁平苔癬型薬疹と診断し,薬剤内服を中止した.内服中止後も,3〜4か月の間は皮疹の拡大が続いたが,約半年で軽快し,淡い色素沈着を残すのみとなった.なお,貼付試験とリンパ球幼若化試験を施行したが,どちらも陰性であった.扁平苔癬型薬疹の発症メカニズムを自験例について検討したところ,長期間の薬剤投与の影響で表皮の抗原性が変化したことに加え,肺炎球菌ワクチン接種によって免疫系が賦活化されたことにより,薬疹を生じたと考えた.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.