Japanese
English
症例報告
若年女性の仙骨部に生じた毛巣洞の1例
A young female case of pilonidal sinus on the sacral region
小野 蘭
1
,
岩井 信策
1
,
末木 博彦
1
Ran ONO
1
,
Shinsaku IWAI
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
毛巣洞
,
若年女性
,
多毛
Keyword:
毛巣洞
,
若年女性
,
多毛
pp.81-84
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204977
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要約 17歳,女性.生理不順なし.約3年前から仙骨部に結節を認め,時々排膿を伴っていた.症状が改善しないため手術目的で当科を紹介され受診した.初診時,仙骨部に47×25mmの結節を認めた.弾性硬で下床との可動性は良好だった.上方には紅色肉芽組織があり,全摘術を施行した.術中に瘻孔とその中に毛塊を認めた.病理組織学的に,表皮と連続性に真皮中層から深層に瘻孔があり,瘻孔周囲に毛細血管の増生と組織球を混じた好中球,形質細胞主体の炎症細胞浸潤を伴っていた.瘻孔内部には毛塊や角化物が認められた.Pilonidal sinus(毛巣洞)に合致する所見であった.性ホルモン異常などの基礎疾患や肥満がなくとも,多毛がある場合,または多毛がなくとも何らかの毛と接触し,かつ外的刺激を受ける環境により,女性においても本症を発症することが再認識された.
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